2021年4月より、武井正美先生の後任の血液膠原病学分野3代目主任教授として赴任いたしました。日本の最西地長崎より東京へ赴任するにあたり不安も多くありましたが、他大学出身者であっても寛容に受けていれてくれる雰囲気を持っている医局であり、これから当教室を希望される先生方も安心して一歩を進めることができると感じます。また、若い先生が多く明るい雰囲気の医局であり、何でも聞きやすい、風通しの良い医局です。
当科は血液疾患と膠原病の両方の診療を行っていますが、当科の医師は非常に真摯に患者さんに向き合っており、患者さんの治療方針決定の場では若手からベテランまで活発なディスカッションを行うことが可能です。その中で十分な研鑽を積み、両分野共に日本血液学会や日本リウマチ学会の専門医の資格やさらに指導医まで取得することが可能となっています。近年、生物学的製剤だけでなく低分子化合物も含めた分子標的薬が登場し、今後さらに増加することが予想されますが、当科では十分にこれらの新規治療薬を用いた診療にも対応可能です。血液疾患、膠原病共に患者さんによっては長期に亘って自分の病と向き合わなければなりません。そのような時に、当科で医療知識・スキルと共に高い人間に対する尊さを学んできた当科の医師は、患者さんを病気の治療だけでは無く全人的に診ることができると思います。
教授あいさつ
研究・診療・教育、医学の知識や技術など、
医療人としての高い人格形成が達成できるバランスの取れた教室です
主任教授
リウマチ・
膠原病内科部長
膠原病内科部長
中村 英樹
教育についても、学生さんの卒前教育には十分力を入れており、将来を担う学生さんには血液・膠原病の基礎的な学習から最新の診断・治療まで丁寧に講義を行い、問題解決型の実習等を通して卒業および医師国家試験に向けたサポートをいたします。大学院生の卒後教育では、それぞれの分野の研究指導者が若手の先生方の研究を指導しており学位を取得する先生方もサポートいたします。博士号を取得した先生方がさらに若い先生方の研究を指導できる体制も構築してゆきます。また、前任地での研究を当科での研究と融合することにより、さらに高いレベルの研究を行える環境作りにも邁進したいと思います。
血液膠原病内科は、内科全体の知識を基礎にそれぞれの分野で、診療・教育・研究が高いレベルでバランスを取っている教室です。若い先生方が将来設計を考える時、この教室であればこれからの医師人生をここで考えてもいいな、と思えるような雰囲気だと思います。また、医学の知識や技術はもとより、全人的な対応を通して患者さんと強い信頼関係を築くことが大切であると思います。このような医師像を目指すため、教室全体として高い医療人としての人格形成が達成できるよう努めてゆきます。
血液膠原病内科は、内科全体の知識を基礎にそれぞれの分野で、診療・教育・研究が高いレベルでバランスを取っている教室です。若い先生方が将来設計を考える時、この教室であればこれからの医師人生をここで考えてもいいな、と思えるような雰囲気だと思います。また、医学の知識や技術はもとより、全人的な対応を通して患者さんと強い信頼関係を築くことが大切であると思います。このような医師像を目指すため、教室全体として高い医療人としての人格形成が達成できるよう努めてゆきます。
学歴・職歴
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平成 4年(1992年)3月長崎大学医学部卒業
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平成 4年(1992年)6月長崎大学医学部附属病院第一内科研修医
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平成 5年(1993年)6月国立長崎中央病院研修医
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平成 6年(1994年)6月大分県立病院第二内科レジデント
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平成 7年(1995年)4月長崎大学大学院医学研究科博士課程
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平成11年(1999年)4月佐世保中央病院膠原病内科
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平成13年(2001年)6月Division of Rheumatology, Immunology and Allergy, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School(Prof. Paul Anderson)留学
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平成15年(2003年)9月日本予防医学協会リサーチレジデント
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平成18年(2006年)12月長崎大学大学院医歯薬学総合研究科助教
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平成24年(2012年)4月長崎大学病院第一内科講師
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令和 3年(2021年)4月日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野
主任教授
主な研究テーマ
- HTLV-1関連シェーグレン症候群の病因・病態について
- シェーグレン症候群唾液腺破壊機序解明に関する研究
- シェーグレン症候群におけるtoll-like receptorの関与について
- シェーグレン症候群の臨床像と自己抗体の関連について
主な学会研究会等活動
- 日本内科学会(会員・評議員)
- 日本リウマチ学会(会員・評議員・JCR International Scientific Committee)
- 日本シェーグレン症候群学会(会員・理事)
- 日本臨床免疫学会(会員・評議員)
- HTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン作成委員
- 日本免疫学会(会員)
- 日本臨床リウマチ学会(会員)
- 米国リウマチ学会(International Member)
- 日本HTLV-1学会(会員)
- 日本医療マネジメント学会(会員)
- ハイリスクリウマチ膠原病ネットワーク代表
- 日本シェーグレン症候群患者の会事務局代表
- Clinical and Experimental Rheumatolology, Sjögren’s syndrome annual supplement, editorial board
- Sjögren Big Data Consortium member
研究助成金・受賞歴
- 平成12年度上原記念生命科学財団海外留学リサーチフェローシップ
- 平成18年度日本リウマチ財団リウマチ性疾患調査・研究助成金
- 平成25年度(第5回)日本シェーグレン症候群学会賞
- 2017年度ブリストル・マイヤーズ スクイブ研究助成金
- 2010-12、2013-15、2016-18、2019-21、2022-24年度科学研究費基金基盤研究C
代表論文
- Nakamura H, Tsukamoto M, Nagasawa Y et al. Does HTLV-1 infection show phenotypes found in Sjögren's syndrome? Viruses, 14:100, 2022 (IF5.82)
- Nakamura H, Shimizu T, Takatani A et al. Initial human T-cell leukemia virus type 1 infection of the salivary gland epithelial cells requires a biofilm-like structure. Virus Res, 269:197643, 2019 (IF6.29)
- Nakamura H, Hasegawa H, Sasaki D et al. Detection of human T lymphotropic virus type-I bZIP factor and tax in the salivary glands of Sjögren's syndrome patients. Clin Exp Rheumatol, 112:51-60, 2018 (IF4.86)
- Nakamura H, Takahashi Y, Yamamoto-Fukuda T et al. Direct infection of primary salivary gland epithelial cells by human T lymphotropic virus type I in patients with Sjögren’s syndrome. Arthritis Rheumatol, 67:1096-1106, 2015 (IF15.48)
- Nakamura H, Kawakami A, Iwamoto N et al. A single center retrospective analysis of AECG classification criteria for primary Sjögren’s syndrome based on 112 minor salivary gland biopsies in a Japanese population. Rheumatology (Oxford) 49:1290-1293, 2010 (IF7.05)
- Nakamura H, Kawakami A, Hayashi T et al. Low prevalence of ectopic germinal center formation in patients with HTLV-I-associated Sjögren’s syndrome. Rheumatology (Oxford) 48:854-855, 2009 (IF7.05)
- Nakamura H, Kawakami A, Iwamoto N et al. Rapid and significant induction of TRAIL-mediated type II cells in apoptosis of primary salivary epithelial cells in primary Sjögren's syndrome. Apoptosis 13:1322-30, 2008 (IF5.56)
- Nakamura H, Kawakami A, Yamasaki S et al. Expression of mitogen activated protein kinases in labial salivary glands of patients with Sjögren's syndrome. Ann Rheum Dis 58:382-385, 1999 (IF27.97)
- Nakamura H, Kawakami A, Tominaga M et al. Expression of CD40/CD40 ligand and Bcl-2 family proteins in labial salivary glands of patients with Sjögren's syndrome. Lab Invest 79:261-269, 1999 (IF5.50)
- Nakamura H, Eguchi K, Nakamura T et al. High prevalence of Sjögren's syndrome in patients with HTLV-I associated myelopathy. Ann Rheum Dis 56:167-172, 1997 (IF27.97)
教室紹介
日本大学医学部血液膠原病内科は昭和20年(1945年)10月に比企能達教授(初代教授)によって開設された内科学教室(比企内科)に端を発します。その後、昭和26年(1951年)には第一内科学教室へと発展し、主として呼吸器疾患、血液疾患、免疫疾患、心療内科を担当する講座として国内のみならず海外へ向けて発展してまいりました。その間、萩原忠文教授(2代目教授)、天木一太教授(3代目教授)、岡安大仁教授(4代目教授)、堀江孝至教授(5代目教授)へと主任教授が引き継がれ、平成16年(2004年)4月の大講座移行にともない第一内科学教室はその他の内科学教室同様再編成され、血液膠原病内科学分野と呼吸器内科学分野へと分離いたしました。平成18年(2006年)には血液膠原病内科学分野の初代主任教授として竹内仁教授が就任し、2013年には2代目教授として武井正美教授が就任いたしました。2021年には中村英樹教授が3代目の教授に就任し、現在に至っています。2021年には比企内科創立から75年、血液膠原病内科分離独立から15年を迎え、伝統の重みを尊重しながら、医局員一丸となって新しいテーマに向かって日夜努力しています。
沿革
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大正14年(1925年)日本大学専門部医学科創設
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昭和17年(1942年)日本大学医学部に昇格
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昭和20年(1945年)比企内科開設(比企能達初代教授)
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昭和26年(1951年)第一内科学教室へ名称変更(比企能達教授)
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昭和38年(1963年)萩原忠文教授(2代目教授)
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昭和52年(1977年)天木一太教授(3代目教授)
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昭和55年(1980年)岡安大仁教授(4代目教授)
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平成元年(1989年)堀江孝至教授(5代目教授)
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平成 9年(1997年)澤田滋正教授(練馬光が丘病院内科教授)
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平成18年(2006年)竹内仁教授(血液膠原病内科学分野初代教授)
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平成25年(2013年)武井正美教授(血液膠原病内科学分野2代目教授)
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令和 3年(2021年)中村英樹教授(血液膠原病内科学分野3代目教授)